振動・けがきマーキングとは
現場の作業環境を選ばず、
ライン組込に最適なマーキング方式
アルミ素材をはじめ、鋳物、切削加工品などに使われる金属製品、アクリル樹脂、エンジニアリングプラスチックなど、多種多彩な素材に対して、マーキングできるのが振動・けがきマーキングの大きな特長です。金属を打刻しながらマーキングする振動マーキング、金属表面を彫刻のように削る方式のけがきマーキングの2つの方式を、用途や素材に応じて選択できるため、現場の作業環境に合わせてマーキングができます。方式の変更は、マーキングユニットを変えることで、可能となります。
また、マーキングユニットはコンパクト設計のため、製造ラインへの組込も容易。製品製造後のシリアルナンバーや商品の型番などに対応する他、さらに文字やロゴマーク、図形などもコンピュータ制御で設定できるため、大量生産される製品へのマーキングの際にも有用です。
- 方式
- 超硬のピン先を1秒間に200~500回振動打刻することでマーキングを行う「振動マーキング」、ダイヤモンドのピン先を素材に面に押しつけ、線を描くようにマーキングする「けがきマーキング」の2つの方式があります。コンピュータ制御により高速なマーキングが可能。
- 導入のしやすさ・コスト面
- 初期設備費用は、電解マーキングとレーザマーキングの中間程度(ユニット・使用方法により変化)ですが、コンピュータ制御できることから、自動生産ラインへの組込ができる大きなメリットがあります。
特長-振動・けがきマーキングが選ばれる4つのポイント-
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Point
1金属はもちろん
樹脂などにもマーキング可能アルミの銘鈑、鋳物・切削加工品などの金属製品をはじめアクリル樹脂、エンジニアリングプラスチックなどの素材にマーキングが可能です。
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Point
2コンピュータ制御で
使用者が自由に入力できる最小で天地2mmの文字から、ロゴ、マーク、図形などのマーク内容をマーキングできます。文字はキーボードで入力でき、図形はCADで作成したものを使用できます。通信機能を使って、ロットナンバーや日付、自動連番などのデータを外部コンピュータから送受信し、マーク内容として使用可能です。
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Point
3自動ラインの組込に
最適なシステム構成全体をコントロールする制御ユニットとマーキングユニットというシステム構成で、特にマーキングユニットはコンパクト設計のため、ラインへの組込が簡単です。制御ユニットは、生産ラインの制御コンピュータやシーケンサから、作業命令やマーク内容を通信で送受信できる機能を備えています。
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Point
4印字速度が速く
鮮明なマーキングを実現マーキングの際、線を描くスピードは最大で秒速200mm、文字は1秒間で4~8文字と非常に高速で印字可能です。高速でありながらも、鮮明な文字、図形、ロゴをマーキングできます。
振動マーキング
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粗い表面など、
表面状態を選ばずマーキング凸凹のない商品表面はもちろん、ざらついたような粗い表面、少々凹凸のある表面でも振動方式なら、マーキングが可能です。専用ピンに付け替えれば、深彫りマーキングも可能です。
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耐久性のある軽量設計でトラブルに強い
振動けがきマーキングのユニットは、部品点数が少ないため軽量。シンプルな構造のため、トラブルが起こりにくく、取扱やすさも両立しています。
けがきマーキング
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マーキングの線が鮮明できれい
超硬度のダイヤモンドのピン先が常に一定の深さで実線を描くため、表面硬度の高いものでも、鮮明なマーキングが可能です。
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マーキング時の音が静か
ピン先の上下動作を少なく、振動を制御する設計のため、マーキング時にほとんど音が発生しません。
原理
振動マーキング
- 1空気圧により、超硬のピン先が1秒間に200~500回の速さで上下に振動し、商品表面を打刻しながら移動します。
- 2タイミングベルト駆動とステッピングモータの制御により、ピン先がXY平面上を自由に移動し、ドットが線状につながり文字やマークを形成します。
けがきマーキング
- 1空気圧により、ダイヤモンドのピン先が商品に押し付けられ、線を描きながら移動します。
- 2ボールネジ駆動とステッピングモニターの制御により、ピン先がXY面を自由に移動し、商品表面を彫刻して文字やマークを形成します。
基本システム
ライン組込タイプ、卓上タイプのピンマーカー(振動マーキング)、または、ダイヤモンドマーカー(けがきマーキング)から、それぞれの現場状況・用途に対応した制御ユニットを選択します。制御ユニットには、通信機能が搭載されているため、外部コンピュータと様々なデータ送受信ができ、遠隔操作が可能です。
マーキング方法
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Step1 準備
マークの内容(図形、ロットナンバーや日付、自動連番等)を設定し、制御ユニットへデータを送信。
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Step2 マーキング
マーキングの位置、サイズを設定し、対象製品を治具に置きスタートボタンを押しマーキング。
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Step3 完了
治具から製品を取り出し完了。